校長通信 響き合う学校 2016年7月号
H28年7月号
響きあう学校 安城学園高等学校だより 2016.7.20(水) 第168号
安城学園高等学校長 坂田 成夫
【やさしいけしき まどみちお】
あちらには 山 こちらには 海
川が 山のたよりをあつめては
マラソンで 海へ おくりとどけ
雲が 海のたよりをあつめては
うたにして 山へ おくりとどけ
天から
日
月
星が
ほほえんで 見下ろし
そして なんおくまん年 とうとうある日 生まれでてきました
かずかぎりない 生きものたちが 笑いさざめきながら・・・
この やさしいけしきを もっと やさしくするために
【今月の詩と詩人 まどみちお】
1909年山口県に生まれる。詩人。25歳ごろから創作をはじめ、北原白秋に詩・童謡を学ぶ。戦後約10年間幼児雑誌の編集に携わったあと、詩作に専念。代表作に「ぞうさん」「おさるがふねをかきました」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」など多数。1994年、日本人初の「国際アンデルセン賞作家賞」を受賞。2014年2月104歳で逝去。親しみやすい言葉で幅広い世代に愛されている詩人,紹介した詩の山のたより、海のたよりの、「たより」とは水のことです。やさしい景色のかずかずは水がつくりだしているのです、その思いを詩にしています。最後のこの やさしいけしきを もっと やさしくするために 私たちの仕事でもあります。
【賢さへの挑戦】
「なぜ戦争が起きるのか?」「なぜテロが起きるのか?」「どうしたら世界に平和が訪れるのか?」「どうしたら人々が幸せに暮らせるのか?」。今年の7月だけでもバングラディシュで、フランスで、アメリカで、その他各地で恐ろしい事件が多発しています。大切なことは慣れないこと、解決に向けて考えることです。 「なぜ?」という疑問を持つことで、相手に、事柄に思いを馳せることができます。思いを馳せることが、考えるという行為に繋がり、「どうしたらよいのか?」という解決に向けた思索に繋がっていきます。今、自分達が直面する問題に真正面から疑問を持ち、解決策を模索していく、それが大切です。思いを馳せる、考える、行動していく、それが学びに繋がっていきます。多くの問いかけを自らに積極的に発し、「なぜ?」という疑問に挑み続ける、それが「賢さへの挑戦」です。賢さが世界で起きている悲しい事件、恐ろしい事件を解決していくと信じています。
【悔しさをバネにする】
第98回高校野球大会愛知県大会2回戦を17日に豊橋球場で本校野球部は闘いました。結果は1対2の惜敗でした。試合が終わって外にでると部員が一列に並んで応援していただいた人に感謝の挨拶をしていました。いつもの光景ですがいつも以上に負けた悔しさがにじみ出ていました。昨年の秋の大会、春の大会の成績をみると上位に十分行ける力を持ったチームだけに、気持ちはよく理解できました。ただ、勝負に負けはつきものです。負けた後が大切です。負けた悔しさをバネにして“もっと練習しなければ”“勝つためにはどうすればよいのか”という気持ちを持てるかどうかです。 野球部の皆さんには悔しさをバネにして、新たな挑戦を始めて欲しいと願っています。悔しさを体験した野球部の今後の戦いに期待します。
【本という漢字】
語源由来辞典によると「本」という字は木の根の太い部分に印をつけ、その部分につけた漢字で、漢語では「太い木の根」や「草木の根」を指すと書いてあります。日本では物事の「根本」といった意味から「手本」や「模範とすべきもの」の意味を表すようになり、そこから「書写」の元となるような書物を呼ぶようになり、書物全般を呼ぶようになりました。「手本」「模範とすべきもの」本は間違いなく人々にとってそうした存在です。
「本は心の糧」と言わるように,読書は感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かものにしていきます,人間の根本にとって不可欠な存在、それが本という漢字です。
【忙しいという漢字】
「忙しい」という漢字は「心」が「亡くなる」と書きます。「心」が亡いという意味です。松下電機産業株式会社(現在のパナソニック)を一代で興した松下幸之助さんは、仕事を命じて「忙しい」という人には、二度と仕事を命じなかったと言われています。心の亡い人がいい仕事をできる筈がないからです。また、松下幸之助さんは「難しい仕事は忙しい人に頼め」とも言いました。忙しい人は、時間がない分、どうすればうまくできるか考えます。だから難しい仕事も、無駄を省いて効率的にやってしまいます。逆に、暇な人は出来ない理由ばかり考えて、結局何もしないのです。忙しさを自然体で受け入れ、仕事が出来る人に責任ある仕事を任せたといわれています。漢字の意味は“深い”とつくづく思います。
【永六輔さんの伝言[京都新聞 2016年07月12日掲載]】
放送作家、作詞家、タレントなど幅広い活躍をした永六輔さんは、ラジオパーソナリティーの仕事をとりわけ大事にした人だった。
ラジオは見えないが、そのことが聞き手の想像力をかきたてる利点になると生前に書いている。1960年代から長年、自分の名を冠した番組を持ち、放送を終えたのは亡くなる10日ほど前だった
放送作家として仕事をし始めた20歳の頃、民俗学者の宮本常一から言われたことがある。「電波の届く先に行って話を聞き、スタジオから人々の言葉を届ける仕事をしてほしい」
それを最期まで肝に銘じ、市井の人々の言葉をラジオで伝えるだけでなく、活字にもしてきた。自著「伝言」(岩波新書)を読むと、永さんがどんな言葉を大切にしてきたかがよく分かる
例えば憲法についてはこんな言葉を書き留めている。「そもそも憲法というのは夢でいいんです。みんなで夢に近づける、それでいいんです」。時代に合わないから変えるのではなく、時代を超えて伝えていくべき「夢」。憲法の平和主義を「現実の政策決定への不断の方向づけ」とした政治学者・丸山真男の考え方とも響き合う
参院選で改憲勢力が3分の2を超えた現実を知ることなく、永さんは世を去った。存命ならどんな言葉を発したか、聞いてみたかった。
【7月の推薦図書「ハーレムの闘う本屋」ヴォーンダ・ミショーネルソン 原田勝訳 2350円あすなろ書房】
ニューヨーク、ハーレム125丁目通りに実在した「黒人のために、黒人が書いた、アメリカだけでなく世界中の黒人について書かれた本」を売る書店「ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア」の店主ルイス・ミショーの生涯を著した作品です。是非、読んで下さい。
【6月末から7月の行事】
7月22日(金)~24日(日) 1年、2年、3年リーダーズキャンプ
7月21日(木)〜8月23日(火)実力補習・就職補習
7月27日以降 全国高校総合体育大会 広島、岡山等
8月 4日(木) 出校日
8月 5日(金)~6日(土)広島セミナー
8月 5日(金)~8月7日(日)安城七夕祭り
8月 5日(金)~8日(月)岩手県大船渡市盛町生徒会七夕ボランティア
8月18日(木)~21日(日)東日本と愛知を繫ぐ合唱部コンサート(南三陸 気仙沼 大船渡)
8月26日 (金)・27日(土) 第1回学校見学会