校長通信 響き合う学校 2015年10月号
H27年10月号
響きあう学校 安城学園高等学校だより2015.10.27(火)第149号
安城学園高等学校長 坂田 成夫
私と小鳥と鈴と 金子みすゞ
私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私の ように、 地面を速く走れない。
私が体をゆすっても、 きれいな音はでないけど、
あの 鳴る鈴は私のように、 たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私。
みんなちがってみんないい
【今月の作者と詩 金子みすゞ】
金子みすゞ(かねこ みすず)、本名は金子テル。1903年(明治36年)- 1930年(昭和5年)大正時代の終わりに彗星のように登場し、昭和の初めに26歳という若さで短い生涯を閉じた童謡詩人です。大正期を代表する童謡詩人・西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と評されました。代表作には「私と小鳥と鈴と」や「こだまでしょうか」、「大漁」などがあります。「私と小鳥と鈴と」の中で “みんなちがってみんないい”にはすべての生き物が含まれていると解釈されています。作者の優しさがにじみでた詩だと思います。
【5年連続マーチング全国大会出場決定 おめでとう吹奏楽部 】
10月24日(土)に岐阜県の岐阜市メモリアルホールでマーチング全国大会出場校を決める東海大会が開催されました。結果は中学の部で名古屋の植田中学校、高校の部で本校と愛工大名電高校、木曽川高校の4校が全国大会出場校に選ばれました。高校の部では最も優れた演奏をした団体に送られる朝日新聞社賞は、今年は愛工大名電高校が受賞しました。本校は過去4回の出場で3回の金賞。1回の銀賞受賞です。今年も4回目の金賞をめざして生徒たちは頑張ってくれると思います。全国大会は11月22日、大阪城ホールで開催されます。応援よろしくお願いします。
【弦楽部 全国学校合奏コンクール全国大会出場決定】
全国大会は11月14日(土)千葉県文化会館で開催されます。日頃から本当によく練習している弦楽部の皆さんが全国大会でもよいサウンドを響かせてくれることを期待しています。
【今月の言葉 「青年よ、理想を持て、勇気を持て、そして進め」】
早稲田大学の創設者、大隈重信の言葉に『青年よ、理想を持て、勇気を持て、そして進め』があります。「勇気を持て」とは権威や権力に屈服せず、安易な妥協をせず、目先の利益に引きずられず、正義を貫き、正しく生きよ、という意味で話しています。
9月20日ラクビーのワールドカップイングランド大会で日本は直前世界ランク3位の強豪国、南アフリカに勝利しました。全員で守り、全員で攻撃するという姿勢の重要さをあらためて教えられました。そしてその試合で勇気ある光景を観ました。日本チームの最後の攻撃です。29対32で負けている状況の中で、試合はロスタイムに入りました。そして南アフリカチームにファールがあり、日本チームに相手ゴール前の左中間あたりで、ペナルティーキックが与えられました。点差は3点、相手は強豪チーム、通常はキックをしてペナルティーゴールを決め同点を狙います。しかし、日本チームは同点でなく勝利を選択し、スクラムを組み、そしてトライを奪い、34対32で逆転勝利しました。同点を狙う生き方を選択することもあります。しかし、大事な場面で「勇気」を出して勝利をめざしたいものです。ラクビーの試合を観ながら、大隈重信氏の言葉を思い出しました。
【今月のコラム 「ラクビーの応援文化」京都新聞 10月21日掲載】
インターネットのおかげで全国の新聞が読めるようになっています。特に社説やコラムは各紙の特徴が出ていて比較して読んでいます。ラクビーに関連して次のコラムを紹介します。
ラグビーW杯のテレビ観戦は、応援風景も楽しい。イングランドの応援歌「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット」の大合唱は会場を揺さぶるような迫力だ▼日本代表の奮闘には英国の地元ファンからも「ニッポン」の大コールがわき起こる。敵・味方に関係なく勇敢なプレーに拍手を送る。これがラグビーの応援文化ということだろう▼<ラグビーは子どもをいち早く大人にし、大人にいつまでも子どもの心を抱かせる>。フランス元代表のジャン・ピエール・リーブ氏の言葉は、応援する方にも言えそうだ▼ラグビーは勝敗以上に互いの健闘をたたえ合う。大人の振る舞いが求められる。応援もそうで、いいプレーを称賛しプレースキックの時は静かに、選手や審判に野次を飛ばさない。大人のマナーで応援し、子どもの心でラグビーを楽しむ▼前回のニュージーランド大会で本紙記者は感心していた。地域ごとに応援するチームを決め、街じゅうで盛り上がる。日本代表への声援が心強かったそうだ▼さて、4年後の日本開催に向け、私たちの応援文化を育てたいものだ。2年前の東大阪市・花園ラグビー場。主催者から満員の観客に日の丸とウェールズの小旗が配られ、地元のおっちゃんが声をかけて回っていた。“ウェールズも応援したってや”。
【深呼吸の必要】
最近、中学校の進路説明会に出かける機会が多くなっています。多くの学校が15分で話をして欲しいと要請がきます。先日25分という学校があり最後の5分は質問を受けました。ある1人の生徒が「校長先生は何が大切だと思いますか」という質問をしてくれました。それに対して私は「深呼吸の必要」という答えをしました。たぶん、意外な回答だと思ったと思います。朝、出かける時に空をみて深呼吸、夜寝る前に星や月をみながら深呼吸、私が最近実践していることです。心が穏やかになるように思います。空を見上げることで、空でつながる世界の人をイメージするよう意識もしています。世界中の人が平和を願い、争いを避ければ戦争が起こることもないと考えます。
【10月の読書「金子みすゞ みんなちがって、みんないい」JURA出版局 1950円】
2010年の金子みすゞ没後80年を記念して図録として出版されました。金子みすずさんの代表的な詩60編が収録され、しかもその作品一つ一つを漫画家の里中満智子さん、千葉てつやさん、女優の松たかこさんや小林綾子さんなど60人の著名人の方が紹介しています。貸出しもします。もし,興味のある方は校長室へ借りにきてください。夏休みに読んだ44冊の一冊です。
【11月の主な行事】
11月 6日(金) 私学連合音楽祭
11月 7日(土) 第3回学校見学会 11月14日(土) 土曜講座
11月14日〜15日(土日) PTA一泊研修 福井•金沢
11月15日(日) 西三河私学展(岡崎イオンセンターコート)
11月20日(金) 創立記念行事 40分7限 11月22日(日) 創立記念日
11月23日(月) 「寺部だい先生一代記 夢のさなか」公演 豊田市民文化会館
11月28日(土) 第4回学校見学会
12月1日(火)〜12月4日(金) 第四回定期試験